「GPS」って何の略?ドローンと「GPS」の大事な関係

GPSとは「Global Positioning System」の略称です。日本語では「全地球測位システム」と訳されます。もともとはアメリカで軍事用に開発されていた技術でしたが、現在は飛行機や船舶、自動車といった乗り物をはじめ、個人が持つスマートフォンにも搭載され世界中で利用されています。

GPSの仕組みは、地球を周回しているGPS衛星の電波を端末が受信し、位置・距離・時刻などを計算して現在位置を測位するというものです。

日本では国内の位置情報の精度を上げるため2010年に準天頂衛星システム「みちびき」を打ち上げました。みちびきは日本版GPSとも呼ばれており、みちびきの存在により現在のGPSの測位誤差は10㎝程度と言われるほど正確な位置情報を取得できるようになっています。

報道や災害救助、測量、生態調査など様々な分野で活躍するドローン。ドローンを操作する際の機体の位置を司るのもGPSなんです。ドローンは、GPS衛星からの情報を受けて信号を分析し、自分の位置や高さを特定し飛行します。オリンピック開幕式に使われた1824台のドローンによる空中パフォーマンスは素晴らしかったですね。あの演出はアメリカIntel社の「Shooting Star」システムによるもので、GPSとRTKで位置決めを行うプログラム飛行でした。RTK(Real Time Kinematic)とはGPSを補助して精度を高める装置で、地上に基準局を設置してGPS衛星通信の誤差を検出し補正した情報をドローンに送ります。これにより精度がセンチメートル単位まで向上し、密集飛行させることが可能になります。

近年、GPS受信機の小型化や低価格化、背景地図を表示するコンピュータシステムの低価格化が進み、カーナビやスマートフォン、ドローンなどへの搭載が広がり、さまざまな分野でGPSを利用したサービスが提供されています。